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◆Robo.gBH9M @ロボ-7c7cφ ★:2007/08/09(木) 10:59:52 ID:???
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070801/131461/ いつの時代も世の中には誰もが表立って反対できない“錦の御旗”が存在する。今の
時代、その“御旗”のひとつが「民営化」だろう。
一昨年9月、小泉前首相が乾坤一擲の勝負に出、前代未聞の勝利に終わった、いわゆる
郵政民営化一点選挙が記憶に新しいが、最近は「社会保険庁は民営化して一から
出直せ」という声もかまびすしい。
本書は、民営化とは何か、なぜ必要なのか、そのメリットならびにデメリットは、といった
問題を、世界の実例をひもときながら解説した入門書である。入門書といっても、ぴりりと
辛い“わさび”が随所に練り込まれている。
著者はまず、一口に民営化といっても、動機や事情はさまざまであり、手法も千差万別で
あることを示す。例えば手法ひとつ取っても、直接売却型、株式公開型、経営陣や従業員に
売却するMBO(Management Buy-out)型といった「所有移転型」と、一定期間の運営を
民間に委託する「コンセッション型」の2つがある。日本では後者の形の民営化の例は
まだ少なく、所有移転型のうち株式公開型が民営化の典型と見られている。
続いて日本の民営化の歴史を振り返る。俎上に載せるのは、直近の郵政と道路公団であり、
さらには国鉄、電電公社、専売公社といった1980年代の事例である。このうち特に、郵政と
道路公団、それに国鉄の民営化に厳しい目を向ける。
郵政と道路公団の民営化がなぜ問題なのかといえば、どちらも「なぜ民営化が必要なのか」という
理念が不明確なまま、「構造改革」という美辞麗句にくるまれ、強引な政治の力で民営化が
進行しているからだ。
国鉄民営化については、主導者である中曽根元首相が、本来の目的は国労や総評、さらには
最大野党の社会党つぶしだったことをマスコミに明かしており、動機が不純であること、
もともと国鉄の経営破綻は資産価値を低めに評価した偽装破綻であった疑いもあることなどを
指摘し、かなり批判的である。
そして、ここからがこの新書の真骨頂である。イギリス、ニュージーランド、ドイツといった日本が
民営化のお手本としてきた国から、米国、フランス、スペイン、さらには東欧各国、ロシア、
中国、ラテンアメリカ諸国まで、世界18カ国の民営化の実情をコンパクトに紹介していく。
例えば、郵政民営化の模範とされ、日本が真っ先に学ぶべき国とされてきたニュージーランドである。
郵便貯金が郵便銀行に衣替えされた揚げ句、豪州系銀行に売却されたが、支店の4割を
削減するという大リストラが行われた。結果、失業者が増加し、サービスの質も大きく低下した。
これに対する国民の不満が高まり、政府は郵便公社の傘下に国営銀行を復活させざるを得なかった。
さらに米国である。新自由主義の急先鋒であるこの国は、さぞかし民営化“先進国”かと
思いきや、事実はまったく異なる。日本の郵政にあたるUSPS(アメリカ合衆国郵政公社)の
民営化構想は、ネット技術などの進歩によって民営化しても採算を取るのが難しい、国土が
広大なため、全国一律のサービスの維持が難しいなどの理由で、まったく進んでいない。
日本の国鉄にあたるアムトラックも株式会社ではあるが、経営陣も資金も政府のひも付きであり、
民営化とはほど遠い実態である。さすがダブルスタンダードの国だ。
フランスは委託型民営化の先進国であり、伝統的に水道や清掃事業を民間企業に任せてきた。
でも、そのフランスで、水道の水質が悪く、ミネラルウォーターのエビアンがバカ売れしている。
なぜだろうか。
実は水道受託業者は水質向上の技術を持ち合わせているのだが、エビアンの製造元と裏で
結託しているため、わざと水質を悪いままに保っているという説があるのだという。
>>2に続く
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